2024.1.15.(月)不思議な話③

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令和3年初夏にKくんが生まれた。

両親と両家のおじいちゃんおばあちゃん、おじさんおばさんたちもみんながKくんが生まれてきたことをとても喜んだよ。

この話はKくんが生まれる約8か月前、令和2年10月の出来事。

実はKくんはその時ママのおなかの中にいたんだけどそのことはまだママとパパしか知らなかったんだ。

さてKくんのママのママとパパつまりKくんのおじいちゃんとおばあちゃんはお散歩が大好きでよく二人で出かけている。

令和2年10月の天気のいい日に少し遠出して、町のはずれにあるちっちゃな山まで出かけた。

その山は、大昔海の中にポツンと浮かんでいる小さい島だったんだって。いつしか海が消えて島と陸地がレンケツしてできた面白い山なんだ。昔島だったところが山になって残ってるってほんとに面白い。その山の頂上には、古いお墓のようなもので古墳と呼ばれるものが残っていてその場所で昔の人の暮らしを思い浮かべてみるのも楽しい。登るところからずっと山道をたどって行くと頂上、そのまま進むと階段状になっている山道を下って地上までたどり着けるんだ。山を下りていく途中には小さな稲荷神社や、古いほこらもある。

山のすぐ向こうは海だから、探せば木の隙間から海が見える場所があったり船が係留された船溜まり、田畑、民家が散在しているのが見えるかもしれない。

おじいちゃんとおばあちゃんは最後に稲荷神社でお参りし、下り坂に入っていった。山の出口までの階段状の道は、うっそうとした繁みに挟まれている。

すると突然、二人のいた地点から5,6メートルさらに下へ進んだあたりの歩道左側の繁みから、小さな動物が姿を現した。きれいな黄金色の毛におおわれたその小動物は草むらに頭をつっこんで夢中でなにかを漁っている。サイズは犬か、猫くらいだろうか。

人に見られていることに気付いておらず全身を露わにしながら全く警戒していない。動きに愛嬌があり丸い背中が「かわいい!」

2人は2,3歩踏み出して、さらに目を凝らした。身体に比べて尻尾が大きい。ようやく人間に気付いたのか、身体をクルリとまわし、ほんの一瞬顔をこちらに向けるとあっという間に繁みの中に消えていった。一瞬見えたその顔は、三角の顔に三角の耳がふたつだった。

「ええー?」

「キツネじゃない?」

自分たちの見たものが信じられない不思議な気持ちだった。

民家も近くにあるこんなところに野生のキツネがいるはずがないと思った。

後日、知合いの地元の人に聞いたが、そのあたりにキツネが住んでいるかどうかは分からないとのことだった。

とにかく生まれて初めて、山中でキツネと出会ったわけで、しかも稲荷神社のすぐ近くで出会ったということで何やら不思議でとても幸運な出来事だと感じた。

その翌朝、おばあちゃんが台所で朝食の準備をしようと、冷蔵庫からスーパーで買った袋詰めピーマンを取り出して、手で袋を破った。

その瞬間、小さな緑色の生き物が勢いよく飛び出してきた。

「え?カエル?」

銀色の流しの端の方に小さいきれいなアマガエルがちょこんととまっていた。

なんでこんなところに、アマガエルがいるの?

もしかしたらさっきのピーマンの袋からでてきたの?

いったいいつからピーマンの袋に閉じ込められて家の冷蔵庫の中にいたというのか?

冷蔵庫にいたとは思えないとても元気なアマガエルくん。

昨日に引き続きなんか不思議なことが起こるなあ、

おばあちゃんは、

まるでキツネにつままれた気分だったそう。

(アマガエルはベランダから外の草むらに放してあげました。)

可愛い生き物との出会いは吉兆だったことが後から分かった。

もうすぐKくんがやってくるよ!

キツネとアマガエルが一足先に幸せのメッセンジャーとして登場してくれたとおばあちゃんは信じているんだって。

もちろんKくんはそんなことがあったことを全く知らない。

それから8か月後、

Kくんが生まれたんだ。

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