不思議な話①

不思議な話

2024.1.5.(金)

今日1月5日は亡き義母の誕生日。義母は生きていれば、今日で95歳。生前は毎日3食ご飯を作り、家事を全て一人でこなしていた。

おかあさん、いまどうされていますか。どうぞ、楽しく過ごしてください。お誕生日おめでとうございます。

私は生まれてから18歳の春まで、山林と畑と水田に囲まれた小さな集落で暮らした。子供の頃、時々、祖母から地元に伝わる不思議な話を聞いた。

各集落には「堂さん」と呼ばれる仏様をまつる小さなお堂が建っていた。中は、大人なら7~8人、子供なら10人程度が車座で座れる程度の広さで、集落の行事や集まりの場として、また、子供達の遊び場として親しまれていた。でも、「堂さん」の役割は何なのか、子供にはよくわからないのであった。

それが

ある日のこと、どこかの集落で火事がでた。幸いにも、その火事は初期に発見されすぐに鎮火した。不思議な出来事とは、その火事の数日前に起こったことだった。

祖母によると、「堂さん」には、「火の神さん」のはたらきがあり、どこかの集落で火事が起きた時、またもしかすると起きる前に「堂さん」から「堂さん」へと火の玉が飛んで火事を知らせに行くというのである。飛んで行く火の玉を目撃した人がおり、見た人は、その現象は、火事が出るぞと神さんが知らせを飛ばしていると思うのだということ。見た人は、火の玉のことを周囲に知らせて火事に注意するようにさせるのだろう。また、「堂さん」は、火から住民を守る力を発揮して集落に火事が広がらないようにするのだ。何とも不思議で、頼もしい話だった。

「堂さん」を大切にしないといけないのだと思った。普段は、黙々と畑仕事をしていて、冗談を言わない祖母が不思議な話をしてくれるのが嬉しく、わくわくしたことを覚えている。

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