父は旧制中学1年生の時、山間部の自宅から2つ程山越えをして、最寄りの駅まで約20kmの道のりを徒歩で通っていた。近くに同級生も上級生もおらず、道中たった一人での道のりだったという。早朝暗いうちに家を出るため、道を照らす照明として松明(たいまつ)を持って歩くこともあったという。少年であった父はある日、まだ夜の明けぬ暗い中に山越えをしようとして、ほぼ、山の頂上付近を歩いていた時に、生涯忘れられない程の衝撃的で恐ろしい体験をしたそうである。
その出来事とは、星明りを頼りに暗い道を歩いていると、後方から何らかの光が近づいてきて、父の頭の上を越えて飛んで行ったという。火の玉というには大きく、直径が1m以上あり、とてもまぶしかったというのだ。音がしたかどうかは何も言っていなかった。とにかく、そのような経験をしたのはその時一度だけで、不思議でとても恐ろしい出来事だったとも言っていた。
私は父の話を聞きながら、それは、UFOだったのでは?と思った。85歳の父にはUFOの説明ができないので、何も言わなかった。それは、昭和20年頃の出来事だったと思われる。
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